八木バイオエコロジーセンター
南丹地区・多品種

●所在地 船井郡
●キーワード 家畜ふん尿処理施設
メタンガス発電
●推薦者氏名 八木町農業技術者会


  • 八木町は、面積約50平方キロメートルの8割以上を山林と水田が占め、人口は約1万人、基幹産業は稲作である。畜産業も盛ん(畜産物総生産額は府内で3番目)で、畜産農家は32戸あり、乳用牛約700頭、肉用牛約450頭、豚約1,100頭が飼育されている。

  • 畜産農家の悩みの種である家畜のふん尿の処理は、従来、個人や共同の処理施設を持つケースが少なく、野積みや天日乾燥が大半で衛生的に問題があったため、八木町は、町内全体の家畜ふん尿を適正に処理するために、八木バイオエコロジーセンターを設置した。

  • 同センターでは、家畜ふん尿を従来の単なる堆肥化処理するだけにとどまらず、家畜ふん尿を嫌気性発酵させて「メタンガス」を発生させ、これを用いた発電を行っている。

  • 毎日、乳用牛と豚のふん尿約40トンに、地元の食品会社から廃棄されるおから5トンを加えて消化槽に投入し、槽内で濃度65%のメタンガスを発生させて硫化水素を取り除いた後、メタンガス発電機2基で1日当たり最大3,200キロワット/時(民家350戸分)の電力を発電し、センター内の電力は全てまかない、隣接地に建設予定の下水処理場への電力供給も予定している。

  • 冷却水は発電機で暖められ消化槽の加温とセンター管理室の暖房に再利用し、また、消化槽から出る消化液は、脱水後、固形分を別棟の堆肥化施設で肉用牛のふんと混ぜて約3ヶ月かけて堆肥にして販売し、土づくりや有機農業の推進に活用している。

  • 家畜ふん尿の適正処理(畜産業のイメージアップ)、良質堆肥の大量生産、発電、「温室効果ガス」の一つであるメタンガスの放出削減など、まさに「一石4鳥」をねらった夢のプロジェクトにより、畜産サイドのリサイクルシステムの実現が可能になった。



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