- 中丹地域は古くから和牛生産が盛んで、地域農家とともに発展してきた。現在でも丹後と並びその中心地帯である。しかし、和牛繁殖農家は高齢化、子牛の価格変動などの影響を受け戸数及び頭数とも減少傾向にあり、新たな展開が必要になってきた。
- 中丹地域では、京都府が昭和57年度から開始した受精卵移植(ET)事業にいち早く参画し、ETを活用した和牛の改良増殖に取組み移植頭数は徐々に増加している。
- 平成8年度からは、高育種価和牛(肉質や増体性が優秀)のET事業が始まったことや中丹地域3農協の相互協力により、酪農家の乳牛から生まれたET和牛子牛を和牛繁殖農家にバトンタッチできる新しい生産・流通体系が整備されてきている。
- この生産・流通体系でのメリットは、酪農家が乳用後継牛を確保した上で、その他の子牛生産を和子牛生産に活用できることであり、酪農家側では「小さく生まれる和牛子牛はお産が軽い。」、「和牛であれば生まれたての子牛でも高く売れる。」、和牛繁殖農家では「優血統牛が安価に導入でき、後継牛として育成できる。」 、母牛なしに子牛を増やせるので、規模拡大せずに、子牛せり市への出荷頭数が増やせ、所得増加につながる。」との感想を聞いている。
- 今後はこの体系を最大限活用して、「京都肉」の生産拡大に努めたい。
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