日本型放牧技術の展示普及
中丹地区・肉用牛

●所在地 綾部市
●キーワード 水田放牧
ノシバの利用
●推薦者氏名 綾部地方振興局農林課


  • 京都丹の国和牛改良組合綾部支部(平成10年7月までは綾部和牛改良組合)は、担い手の高齢化と子牛価格の低迷に対応する方法として、飼養管理の省力化と自給飼料の利用によるコスト低減が可能な「繁殖雌牛の簡易放牧」に注目しました。

  • 平成8年度から先進地視察や検討会を開催し、地域の土地条件に適した放牧方式の調査研究を進め、平成10年度畜産再編総合対策事業(日本型放牧技術)を活用して、3種類のモデル放牧場を設置しました。

  • 放牧により期待される効果は、「飼養管理の省力化」、「自給飼料の利用による飼料費の低減」、「繁殖成績の向上」、「地域における転作の達成や耕作放棄地等の発生防止」です。

  • 各放牧場の実証展示内容と特徴は次のとおりです。
    ◆中山間地での水田放牧の実証(48a):転作田の利用、短草型牧草の利用
    ◆高齢者による飼養管理技術の確立(6a):山林に接した段差のある荒廃水田の利用
    ◆ 中山間地における里山放牧の実証(9a):ノシバの利用

  • 水田放牧に取り組まれているL牧場の奥さんは、水稲と和牛繁殖の複合経営を行うかたわら、10haを越える水田の基幹作業を受託されています。また、農業委員(平成5年から)、女性農業士(平成3年認定)、認定担い手(平成7年認定)、農業機械士(平成10年取得)、ハッスルかあちゃんの会代表を努められ、明るい農業農村の創出をめざし、女性リーダ-として男女共同参加活動や都市と農村交流活動などに積極的に取り組まれ農業の振興と発展に尽力されています。

  • 府道から放牧場が眺められることから、通りかかった家族連れなどが自動車を止めて、草を喰む牛をのんびりと眺めていたり、近くの小学校が見学や写生に来たりしています。

  • 放牧は、飼養管理省力化だけでなく、「見せる畜産」としての役割にも期待が寄せられています。



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